あれ!肩が痛いんだけど!腱板断裂かどうかはこの3つをチェック!
腱板とはなんでしょうか?
それは「肩を安定して動かすために重要なインナーマッスル」といったら、なんとなくイメージがつくでしょうか?
このインナーマッスルが切れたのが腱板断裂です。
腱板は年を取るごとに柔軟性を失い、徐々に擦り切れていきます。
このように腱板が弱くなった状態で、転倒などの外傷が加わると切れてしまうのです。
しかし、まったく外傷の覚えがなく腱が切れることもあります。
そして、一度断裂してしまった腱板は自然治癒することなく、時間とともに肩の機能は低下するのです。
それでは、肩が痛いときに腱板断裂かどうかを調べる方法はあるのでしょうか。
今回ご紹介する論文、
『Diagnostic accuracy of clinical tests for the different degrees of subacromial impingement syndrome』
Hyung Bin Park et al.J Bone Joint Surg Am.2005
では、様々な腱板関連の診察法の的中率みたいなものをデータで示しています。
そこで、腱板全層断裂(部分断裂ではない)の診断率を上げる3つのテストが提案されています。
それが、Painful arc sign,drop-arm sign,infraspinatus testです。
この3つの検査は整形外科医ならだれでも知っている有名な検査です。
論文によると、この3種類のうち、いくつ陽性かで腱板全層断裂の確率が変わるとのこと、
すなわち、3つとも陽性⇒91%、2つ陽性⇒69%、1つだけ陽性⇒33%、全く陽性なし⇒9%というように。
だから2つ以上陽性であればMRIなどの精密検査をしたほうがいいですよ、と言えるでしょうし、
まったく陽性なしでも1割弱は腱板全層断裂の可能性があるので、腕が上がるからといって腱板断裂はなさそうとも言えないわけです。