変形性膝関節症に対しての質問④ 膝の水って抜いたほうがいいの?くせにならないの? 変形性膝関節症⑱
質問④ 膝にたまる水を抜いたらくせになりますか?
膝に水がたまる(関節水腫)原因として次の二つが考えられます。
それは、①炎症がある②半月板や関節軟骨の損傷です。
抜いたときの水の濁りが強いほど炎症が強いと言えます。
患者様からたまに「一度水を抜くとくせになるのではないか」と心配されることがあります。
じつは、抜いてもまた膝に水がたまるということは、膝の炎症が続いているということです。
水をためたままにしておくこと自体に悪い影響があります。
それは、①たまった水が関節軟骨を破壊する②たまった水で関節がゆるくなる。ということです。
膝関節は関節包という袋の包まれています。
関節包を、風船だと思ってください。
風船は一度膨らませると、空気を抜いた後も、ゴムが伸びてしまいますよね。
膝の関節包にも同じことが言えるんです。
膨らんでしまった関節包はなかなか元には戻らないので、関節包を膨らませないようにすることが大事なんです。
関節の水を抜き、適切な治療をすることで、膝の炎症が治まり、水はたまらなくなります。
炎症を抑えるために、ただ水を抜くだけでなく、場合により抗炎症作用があるステロイド、またはヒアルロン酸の関節注射を行います。
関節包が膨らまないように、サポーターなどで圧迫もします。
もちろん、消炎鎮痛剤を服用することもおすすめします。