腰、下肢の痛みには仙骨硬膜外ブロックを②
[2021.11.03]
本日は当院で仙骨硬膜外ブロックを実際にどのようにして行っているかについて説明いたします。
ブロックを希望された患者様は、まずうつぶせになっておなかの下に枕をいれます。
写真のようにお尻を突き出した状態となります。
その後は、院長が穿刺部を広い範囲で消毒します。
その後は、いよいよブロック注射をするのですが、患者様はうつぶせとなっているためにいつ針を刺されるのかわからず不安となります。
私は、状況のわからない患者様に少しでも安心していただけるように常に患者様に声をかけて状況を説明しています。
また、この処置で患者様ができるだけ痛みや苦痛を感じないように、まずは細い針(下の写真:右の針)で皮膚の局所麻酔を行います。
その後、より太い本番の針(下の写真:左の針)で目標部位に麻酔薬を注入します。
ですから、患者様が処置中に痛みを感じることは少ないです。
(麻酔薬を注入するときに多少腰や下肢に痛みがでることはあります。)
処置自体は数分で終わりますが、まれに血圧が下がったり、下肢に力が入りにくくなったりすることがあるので、30分~60分はベッドで横になって休んでもらいます。
その後、全身状態に問題なければ帰宅可能です。
硬膜外ブロックでは麻酔薬を注入するために、体の深部に針を刺すので、針穴から細菌が侵入して化膿しないようにブロック当日は入浴は控えていただきます。(翌日からは構いません。)
次回の受診時に、痛みがどの程度改善したかお聞かせください。
※血液をサラサラにするお薬(例えばバイアスピリンやワーファリンなど)を飲まれている患者様は硬膜外ブロックができませんので、別の治療法を提案させていただきます。
上の写真:細い針での局所麻酔を行っている様子。
上の写真:本番の針でブロックを行っている様子。