腰部脊柱管狭窄症
年齢が高くなると、腰椎(腰の背骨)の変形がおこります。
それにより、脊柱管という神経が通るトンネルが狭くなります。
神経は周囲の構造物により圧迫を受けて炎症を起こします。
その結果として神経が行き着く先のお尻や下肢が痛くなったり、しびれたりしてしまうのです。
これらの症状から坐骨神経痛とも呼ばれています。
下肢の痛みやしびれなどの症状がでるのは、神経で炎症が起こっているからであり、つまりこの炎症を抑えてあげることにより坐骨神経痛を軽くすることができるのです。
硬膜外ブロックは神経の炎症が起こっている部分に直接炎症を抑える薬剤を注入する方法であり効果的です。
しかし、硬膜外ブロックが行えない患者様もいらっしゃいます。
たとえば、血をサラサラにする薬を飲まれている方です。
注射により深いところで出血が起こると外から圧迫ができないので、どんどんと血腫(出血によってできた血の塊)が大きくなってしまい近くにある神経を強く圧迫して麻痺(下肢の筋力低下)を起こしてしまいます。
また、糖尿病のコントロールが悪い方も注射ができません。
注射部位からばい菌が入ってしまい、深いところで膿がたまってしまうことがあるからです。
もし、このようなことが起こってしまったら手術をして血腫や膿を除去しないといけません。
腰部脊柱管狭窄症の患者様に対して、硬膜外ブロック注射を行うときはこのようなことができるだけ起こらないように、注射をする前に改めてお薬手帳を確認させて頂いたり、注射部位の消毒を入念に行っております。