腱鞘炎
先生!左の親指が痛くて動かしにくいのですが・・・?
Q1.最近、朝起きたら左の親指がだんだんまがりにくくなり、無理矢理曲げると『カクッ』と音がして曲がるのは曲がるのですが今度は伸ばせ無くなるんです。それで反対の指でひっぱって伸ばそうとするとものすごく痛いんです。
A1.診察にて手を診せてもらい、指の付け根を押さえます。ここにしこりがありますね。親指がひっかかって痛くて動きにくいことと、このしこりを押さえて痛いことから、親指が腱鞘炎をおこしています。
Q2.腱鞘炎ってどういうものですか?
A2.指を曲げる時、カクッとバネのように曲がるので、【バネ指】または、【弾発指】とも呼ばれます。指を曲げる腱を屈筋腱といいますが、親指にかぎらずどの指の腱も手のひらの付け根のところで、腱鞘というトンネルを通ります。この腱鞘に慢性の炎症がおこると、腫れてトンネルが狭くなり腱が通りにくくなります。
Q3.どうしてそういうことになるのでしょう?
A3.一般的には、手作業をする方に多いので、手指の使いすぎと考えられていますが、中年の女性がなりやすいことから、ホルモンなどの内分泌系の障害も関係があると言われています。症状を起こしやすいのは親指・なか指・くすり指です。
Q4.治療はどうするのですか?
A4.まずは手指をあまり使わないようにすることです。それだけで治ることもありますが、そうでなければ、鎮痛消炎剤を服用したり、軟膏を塗ったり、温熱療法などを行い炎症を抑え、腫れを軽くします。なかなか良くならない時はステロイドと局所麻酔剤を腱鞘内に注入します。大抵はこれらの保存療法で治ります。
Q5.なかなか治らない時はどうするのですか?
A5.手術をすることもあります。 手術は難しいものではありません。局所麻酔で行います。約1.5cmほど切開し、炎症を起こしている腱鞘を縦に切開し、トンネルを広げます。そうすると、肥厚してコブになった腱も手術直後からじゃまが無くなりスムーズに動くようになります。手術時間は執刀から縫合まで約10分です。
手術後は入院の必要もなく、点滴が終了したら帰宅できます。手術翌日から消毒・包帯交換に毎日きていただきます。10日ほどで抜糸になります。