知るほど面白い大分の先哲 大友宗麟⑥ 家庭内宗教対立Ⅰ
宗麟は貿易のために許したキリスト教に徐々にひかれて教会や病院、育児院、神学校などを作ります。
ところが、その一方で禅宗にも帰依して、宗麟という号も与えられたのです。
西洋と東洋の宗教を同時に信じるという神仏も驚くほどの宗教オタクだったのです。
禅宗でも心の隙間を埋められなかったらしく、その後はキリスト教へまっしぐらでした。
しかし、そんな宗麟の前に立ちはだかったのが奈多夫人。
奈多八幡宮の娘に生まれ、日本古来の神仏を深く信仰していた夫人にとって異国の神は日本の神仏を冒す大敵でした。
僧侶や山伏と一緒に宗麟に何度も、キリスト教から離れ宣教師を追放するように迫ったそうです。
宗麟は妻を説得できず、しかしキリスト教への情熱はおさまらず、ますますキリスト教にのめりこみます。
さすがに自分はすぐに入信しなかったですが、次男の親家には洗礼を受けさせます。
これをきっかけに豊後の武士たちのキリスト教入信が増えました。
奈多夫人は息子や豊後の国をキリシタンにするなとますます怒ります。