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こどもの肘の外傷に注意!①

[2022.04.26]

肘内障の診断 図は、『日本整形外科学会 肘内障ページから引用』

 

今回はこどもの肘の外傷についてお話します。

『肘内障』は肘の靭帯の亜脱臼を言うのですが、当院にもよく相談があります。

というのも、お母さんやお父さんが子供の腕を引っ張るだけで起こるからです。

僕も何百人ものお子さんの肘内障を整復しました。

 

 ⇐肘内障は、肘の靭帯(輪状靭帯)から肘の外側の骨(橈骨頭)が外れかかることによって起こります。図は、『日本整形外科学会 肘内障ページから引用』

 

実はこの整復は、正直なところそんなに難しいものではありません。

しかし、論文を読んでいると、まれですが脱臼が整復されずに手術にいたることがあるそうです。

 

たぶんですが、これは初期対応に問題があるのではないかと思っています。

というのも、世の中には肘内障の整復があまりうまくない医師や治療家もいるからです。

 

そういう人たちが、整復したと思いこんでいても、本当は整復されていなくて、そのまま放置された結果として、最悪の場合手術にいたることがあるのではないかと思います。

脱臼したまま何日もすごすことを考えると痛々しくてかわいそうですね。

 

それでは、医師が肘内障を見たときに注意すべきサインは何なのかというと、以下の4つです。

①明らかな外傷のエピソードがあれば肘内障ではなくて、骨折の可能性が高い。

②腫脹があれば肘内障ではなく、骨折の可能性が高い。

③コクっとする整復感がなければ、すでに自然に整復されたか、まだ整復されていない。

④整復されたなら、肘関節を中心に自動運動をするかをしっかりと確認するべきである。

 

つまり、骨折を見逃さないこととと、たかが肘内障と思わず、しっかりと整復されたことを確認することが大切なのですね。

 

 

 

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