知るほど面白い大分の先哲 大友宗麟⑧ 家庭内宗教対立から宗教戦争に
ついに夫婦の対立が決定的になる出来事が起こります。
夫人の兄、田原親賢(宗麟の重臣)の養子親虎までもが洗礼を受けたいと言い出したのです。
親虎は宗麟夫妻の娘と婚約していたため、親賢と奈多夫人は棄教しなければ婚約も破棄すると再三迫りますが、彼は動じません。
ついには、先に洗礼を受けている親家も親虎を「信仰を強く持て」と励ます始末。
怒り狂った奈多夫人は、「お前なんか息子ではなく神仏の敵だ」と親家にまさかの絶交宣言。
兄の親賢とともに「こうなったらキリスト教を力づくで追い出す!」と兵を差し向け教会を壊し宣教師を殺そうとし、それを守るキリシタン武士たちと激突します。
こうして夫婦の宗教ゲンカは宗教戦争にまで発展したのでした。
それまでは、妻と喧嘩しながらもなんとか穏便にすませようとしていた宗麟もこれにはブチギレました。
「妻よりもキリスト教を選ぶ!」とでも思ったのか50才を目前にキリシタン宣言をします。
夫人を一方的に離縁して、夫人の侍女頭だった女性を新しい妻に迎えたのです。
怒りと屈辱で夫人は自害しようとしましたが、周りの者から止められました。