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注意!こどもの腰痛 腰椎分離症① 疑ったら精密検査を!

[2022.03.22]

こどもの腰痛を見たときに、考えないといけないことがあります。

それは、腰椎分離症です。

腰椎分離症とは、10歳代のこどもにおこることが多い腰の疲労骨折です。

骨折と聞くとおおごとに聞こえますし、「自分の腰痛はそんな骨折なんかじゃないよ!」と思われる方も多いのですが、疲労骨折と言われるように急に腰をぶつけて骨折するようなわかりやすいエピソードはないのです。

「最近なんか腰がずっと痛いな…」という感じがあり、調べてみると腰椎分離症だったなんてことはよくあることです。

また、こどものころの腰の痛みをほったらかしにして、大人になってから当時の痛みが腰椎分離症だった!なんてこともあるのです。

 

じつは、この腰椎分離症はこどものころにみつけることができたら、骨をつなげるチャンスです。

というのも、こどものころは分離部が新鮮なので安静によりくっつく可能性があるからです。

 

私の場合は、腰椎分離症が疑われる方は、どのくらい骨折部が離れているかをまずCTで確認します。

そして、今後骨がくっつくみこみがあるかどうかをMRIで確認します。

このくらいまでしないと腰椎分離症の治療をどこまで徹底してするか決めることが難しいのです。

 

というのも、徹底的に治療を行う場合は3か月間のコルセット着用での安静が必要になるからです。

これは、10歳代のこどもにはかなりストレスがたまります。

 

腰痛の方をみたときに、私たち整形外科医は多くの場合に腰のレントゲン写真をチェックします。

しかし、レントゲン写真はみなさんがご存知のように白黒写真のかなりおおざっぱな検査なので、骨の影が重なって分離症があるかないかわからないなんてこともあります。

病院のレントゲンで腰椎分離症っぽいからということで、このような徹底した安静を指示されたかたで精密検査をしてみると、『実は分離していなかった。』とか、『ずいぶん前の分離症で今さらコルセットをつけても骨がくっつくみこみがなかった。』とかいうこともあります

このような場合は、治療をおこなった3か月間が無駄になりますね。

だから、最初にCTやMRIなどのくわしい検査を行うことが今後の治療を決める上で大事なのです。

 

 

 

 

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